原作が好きだから

再現率好評価のドラマを、原作と比較してみようというブログ

テレビ東京 ドラマ24【きのう何食べた?】#8

サブタイトル:鮭と卵のちらし寿司

 

 原作エピソード:#23、#25、#26

 

作中紹介レシピ

  • なすとパプリカの炒め煮
  • 筑前
  • 鮭ときゅうりと卵のまぜ寿司
  • ブロッコリーの梅わさマヨネーズ

 

レシピ以外

  • 鶏の野菜のグリル~ヒマラヤ岩塩で~?(レストランにて)
  • バーニャカウダ(レストランにて)
  • 和菓子(富永家にて)
  • かぶの海老しいたけあんかけ(作り置き)
  • 朝食プレート(目玉焼き/プチトマト/サラダ)
  • トースト

 

「今日の夕飯のリクエスト」※ケンジのセリフ

  • 玉ねぎを炒めていないハンバーグ(きのこソース)

 

 

第8話は、ケンジの友達、鉄さんとヨシくんとの食事会から始まります。

原作では僕の好きな回でもあります。

何といっても楽しいのはラテ欄です。

賢二が招く謎のゲイカップル…!?
男4人のホームパーティ! 鮭と卵の贅沢ちらし寿司

謎ってなによ。

 

話はとにかくシンプルですが内容は非常に切ない回です。

ケンジのゲイ友カップルのテツさんこと本田鉄郎さん(役:菅原大吉)とヨシくんこと長島(嶋?)義之(役: 正名僕蔵)が弁護士であるシロさんに相談したいことがあります。なんとか仲介に入りたいケンジはシロさんを食事会に誘います、が店のチョイスに配慮が足りないと、ゲイばれを嫌うシロさんは不機嫌に。

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一方で結婚のような社会的契約がないゲイ同士の同棲には、一緒に居続けるための努力をしなければとケンジのために大好物の桃を買ってあげます。

佳代子さんが1ダース2000円で箱買いしたものを半分個。

この桃、造りものだそうですね。ちょっとすごい。

 

佳代子「別れないための努力を惜しまないって素敵よ」

 

結婚という制約があるがために、夫婦にはそういう努力をすることが欠けているかもという佳代子さんの言葉、良かったです。そしてそんなシロさんに努力賞として半分個した桃を1個おまけしてくれる佳代子さんの男気もかなりいいです。

1個おまけの桃をシロさんの顔に押しつけます。うん、造り物だからできる演出だなと納得。

 

富永家の帰り道、商店街でケンジからのメールにより急遽のホームパーティが決まります。毎日使う中村屋の前を一度横切り(もちろんBGMはかかってますよ)、オーガニック食品が取り揃えてあるスーパーに足を踏み入れて、シロさんは打ちのめされます。

 

ブロッコリー1個 450円

ピーマン1袋 350円

卵1パック 980円

とうふ1パック 1260円

 

 

ブロッコリー以外は原作通りの料金設定です。

(ちなみに原作は236円でしたが、98円をありがたがるシロさんにはこれでも高い)。

倹約家の筧氏(ヨシくん長)の思考はストップするでしょう。

シロさんのことを誤解している事務所の志乃さんはこういう店で普段購入していると思い込んでいるんですよね。

1000円超える豆腐、日常使いできないよ。それ以上に料理にできない。せいぜいやっこにするわ。

 

 

高級スーパーの買い物かごを戻して、シロさんは顆粒だしとめんつゆでほぼほぼ乗り切ることを誓って、(一度中村屋に戻って買い物してから)ダッシュで帰宅。

 

パーティーメニューにかかります。

本日のメニューは時間との戦い。かなり手際が重要視されます。そしてかなり手際良くないと完成しません。

 

【推測要素】

  1. ケンジの通常帰宅時間が20時と設定。
  2. 二人を迎えに行って、3人そろって帰宅してくる。想定30分。
  3. 帰宅時、炊飯器は蒸気を吹いていたので、19:30は過ぎていたと思われる。

以上をふまえると、1時間弱の時間でメニューを完成させるということになります。

なかなかしんどい作業です。

 

審査員並みのヨシくん

筑前煮:「旨い。生姜が効いてて、それがいい」

梅ソース:「筧氏、このわさび…ピリリとアクセントになっていてそれがいい」

かぶのあんかけ:「筧氏、これもみりんと…白だしですか?」

 

そりゃ緊張するよ、シロさん。それ以上に、テツさんは飲食店の経営者なんですよね。どちらかというとその人に料理を食べさせることの方ががっちがち要素。

でも二人は大満足のようで、なによりです。

グラタンの時にも思ったんですけど、来客なんかあまりないだろうに、この家けっこう大皿多いような気がしません? 原作見てたらもしかしたら大先生がひとり暮らしでは使わないだろう自分ところに来た引き出物なんかをまわしてくれてるのかなとか想像してしまいます。

 

そして話は本題に。二人がどうしてもシロさんに頼みたかった、本当の依頼を口にしだします。このドラマの中心テーマである家族の形が語られます。

シロさんとケンジ、小日向さんとジルベール、筧両親、富永夫妻、そしてテツさんとヨシくん。

家族の形と絆がそれぞれの色を持ち、食事というツールを使って伝えてくる原作のコンセプトがすごくいい感じで組み込まれていて、ドラマではこの回で一番強く感じました。なによりヨシくんとケンジのやり取りがかわいくてなごみます。

ワインを飲んだ時のケンジのリアクション(足をバタバタ)、必見です。

 

パーティの片づけをしながら、シロさんは自分が何にいら立ってたのかを痛感し、ケンジにあたってしまった自分を反省します。佳代子さんに評価されたのに、その反面態度に出せていなかったこと。「このまま帰ってこないかも」と心配してドアを見つめるなら、態度に出してケンジを安心させてあげればよかったんですけど…。

いろいろうまくいかないものです。

 

翌朝、起きてきたケンジに、

 

シロ「冷蔵庫に朝飯しまってあるから」

 

それだけ言って出かけようとするシロさんは、桃の存在を宝箱のに入れたもののように隠します。冷蔵庫にある冷えた桃を発見した時のケンジの顔がほころぶ瞬間は、シロさんの思惑通り。

(高級な桃を食事でデザートとしてお客さまに出さなかったのも、ケンジに隠しておきたかったからなんだろうなと勝手な解釈。)

見てるこっちもにやけてしまうシーンでした。

 

 

【再現されていなくて残念だったコマ】

  • 煮込みハンバーグきのこソース(レシピ)
  • うなぎと高菜の混ぜごはん(レシピ)

 

【ドラマにあって良かったシーン】

  • シロさんと佳代子さんの会話シーン
  • 中村屋BGMの乱用(食事シーン)
  • ケンジ「俺、すっごく愛されてる」

 

 

  

 

*1:4巻#25 P7